2009年12月02日
日々の機会をどれくらい活かせているか
少し間が空きましたが、再び現場での学習要素について考えいきたいと思います。
前回の、現場での学習要素についての話(学びの共同体)では、“活動をするという主体的な学びの場”になるということをご紹介しました。
この前回の話をさらに噛み砕いて捉えていったのが、今回ご紹介する話です。
皆さんは、“これまで一度も仕事で失敗をしたことがない”と言い切れる方はいらっしゃるでしょうか。
おそらくほとんどの方はNOだと思います。もちろん私もNOです。むしろ、同年代では数が多い方にあたるという自信があります。
当然ですが、仕事というのは人間が作ったものですので、後発的に作られています。よって、何かの仕事を最初から全てできるという人が生まれてくるという事はありません。人は生まれてから、その後に仕事というものに触れていくので、大小の差はあるにせよ、当然何かしらの失敗を経験します。
そして、仕事における失敗はやりっぱなしでは終わりません。それを解決して初めて仕事というのが成り立つことになるので、失敗をすれば、その後は何かしらの解決策を講じています。
この、仕事という活動の中で、人は必ず問題を抱え、それを解決していくということ。言い換えるなら、自分のこれまでの経験でできるやり方でやってみて、失敗し、そのやり方ではない違うアプローチを生み出し、問題を解決していく。この一連のプロセスで人は学んでいるということを提唱したのが、フィンランドの教育学者のエンゲストロームです。
エンゲストロームはこの学習を「創造的学習」と呼んでいます。
仕事は不確定要素が高く、また、日々少しずつ変化しているという意味ではどんな人でも絶対はありません。定義にもよりますが、あのイチローでさえ、3回に2回は失敗をしているんです。その失敗の中で、“次はこうしてみよう”という創造をし、学んでいます。
毎日訪れている学習の機会をどれくらい活かせているか。その質によって大きな格差が生まれてきます。
前回の、現場での学習要素についての話(学びの共同体)では、“活動をするという主体的な学びの場”になるということをご紹介しました。
この前回の話をさらに噛み砕いて捉えていったのが、今回ご紹介する話です。
皆さんは、“これまで一度も仕事で失敗をしたことがない”と言い切れる方はいらっしゃるでしょうか。
おそらくほとんどの方はNOだと思います。もちろん私もNOです。むしろ、同年代では数が多い方にあたるという自信があります。
当然ですが、仕事というのは人間が作ったものですので、後発的に作られています。よって、何かの仕事を最初から全てできるという人が生まれてくるという事はありません。人は生まれてから、その後に仕事というものに触れていくので、大小の差はあるにせよ、当然何かしらの失敗を経験します。
そして、仕事における失敗はやりっぱなしでは終わりません。それを解決して初めて仕事というのが成り立つことになるので、失敗をすれば、その後は何かしらの解決策を講じています。
この、仕事という活動の中で、人は必ず問題を抱え、それを解決していくということ。言い換えるなら、自分のこれまでの経験でできるやり方でやってみて、失敗し、そのやり方ではない違うアプローチを生み出し、問題を解決していく。この一連のプロセスで人は学んでいるということを提唱したのが、フィンランドの教育学者のエンゲストロームです。
エンゲストロームはこの学習を「創造的学習」と呼んでいます。
仕事は不確定要素が高く、また、日々少しずつ変化しているという意味ではどんな人でも絶対はありません。定義にもよりますが、あのイチローでさえ、3回に2回は失敗をしているんです。その失敗の中で、“次はこうしてみよう”という創造をし、学んでいます。
毎日訪れている学習の機会をどれくらい活かせているか。その質によって大きな格差が生まれてきます。
2009年11月20日
学びの共同体
今日もあるお客様先で研修のご提案をしてきたのですが、内容にはしっかりと共感いただいたように思います。
最近では、提案の際に自分が発する言葉、こちらからの質問や会話の中からお客様が発する言葉で、キーワードになるものを決めておき、その決めたキーワードが伝わったか、また、決めたキーワードをお客様から引き出すことができたかなどで、だいたいの商談確率が読めるようになってきました。
もちろんあくまで予測ですので、100発100中というわけにはいきませんが、随分読みの精度は上がってきたように思います。
こうやって、言葉の端々に気を使うのは、やはり当社が形の無いものを提供しているからという背景があります。お客様への伝わり方によって、商材に対して感じる価値が大きく変わってくるからです。
では、こういった対話の力を自分はどこで高めているかというと、もちろんお客様先もそうですが、一番は職場ということになります。
まず、当社の職場が他社の職場よりもたくさんの場所を使って置いているもの。これは書籍です。専門誌から一般誌まで様々な種類が置かれており、この書籍を普段から読みあさることで対話の元となる知識を身につけています。
それから、職場での会話も教育、採用、コンサルといったものが話題の中心となり、この会話の中で新しい知識を身につけたり、表現方法を学んだりします。
これが、今回ご紹介したい、職場が学習の場であるという一つの考え方です。
上記のように、職場という共同体に参加し、最初は簡単な役割から担い、次第に全体を理解する。そして、最終的には共同体の中心メンバーとなっていく。
このように、共同体への参加をしながら学習し、一人前のメンバーとなっていくような参加の仕方を、人類学者のレイブは『正統的周辺参加』という概念で表現しています。
これは、学校のような座学形式の学びの場では、学習者が“生徒”という受け身の立ち位置で学んでいくのに対して、共同体の“一メンバー”という立ち位置で主体的に学ぶ方法として非常に重要な学習の要素だと捉えたものです。
1990年代末から日本企業が注目した『ナレッジマネジメント』なんかは、まさにこの職場を学びの場としていく手法の一つになります。
最近では、提案の際に自分が発する言葉、こちらからの質問や会話の中からお客様が発する言葉で、キーワードになるものを決めておき、その決めたキーワードが伝わったか、また、決めたキーワードをお客様から引き出すことができたかなどで、だいたいの商談確率が読めるようになってきました。
もちろんあくまで予測ですので、100発100中というわけにはいきませんが、随分読みの精度は上がってきたように思います。
こうやって、言葉の端々に気を使うのは、やはり当社が形の無いものを提供しているからという背景があります。お客様への伝わり方によって、商材に対して感じる価値が大きく変わってくるからです。
では、こういった対話の力を自分はどこで高めているかというと、もちろんお客様先もそうですが、一番は職場ということになります。
まず、当社の職場が他社の職場よりもたくさんの場所を使って置いているもの。これは書籍です。専門誌から一般誌まで様々な種類が置かれており、この書籍を普段から読みあさることで対話の元となる知識を身につけています。
それから、職場での会話も教育、採用、コンサルといったものが話題の中心となり、この会話の中で新しい知識を身につけたり、表現方法を学んだりします。
これが、今回ご紹介したい、職場が学習の場であるという一つの考え方です。
上記のように、職場という共同体に参加し、最初は簡単な役割から担い、次第に全体を理解する。そして、最終的には共同体の中心メンバーとなっていく。
このように、共同体への参加をしながら学習し、一人前のメンバーとなっていくような参加の仕方を、人類学者のレイブは『正統的周辺参加』という概念で表現しています。
これは、学校のような座学形式の学びの場では、学習者が“生徒”という受け身の立ち位置で学んでいくのに対して、共同体の“一メンバー”という立ち位置で主体的に学ぶ方法として非常に重要な学習の要素だと捉えたものです。
1990年代末から日本企業が注目した『ナレッジマネジメント』なんかは、まさにこの職場を学びの場としていく手法の一つになります。
2009年11月19日
“見習う”とはよく言ったもの
今日は、弊社の支援しているNPO団体の学生スタッフと一緒に営業に行きました。
このスタッフは、もう随分と企業を回ってるだけあってお客様との対話もかなりスムーズに展開できます。
もちろん足りない部分もたくさんありますが、今日の訪問も、要所要所をサポートしただけでしっかりと話をまとめてしまいました。
こうやって学生と一緒に営業に行くと、自分自身の事を振り返るいいきっかけになります。
思えば、自分も営業を始めてから随分とやり方を変えてきたように思います。
最近でこそやっと自分自身の営業を自分自身で改善していけるようになったのですが、それまでは、同行させてもらう先輩の営業活動の方法を見よう見まねでやるしかありませんでした。
だから、時期によって随分やり方が違っています。
実はこれが、今日ご紹介したかった職場の学習要素の一つにあたります。
■認知的徒弟制
簡単に言うと、①上司(熟達者)が模範を示し、それを真似る。②上司(熟達者)が手取り足取り教える。③部下に一人でやらせてできないところをフォローする。④部下を独り立ちさせ、上司(熟達者)は手を引いていく。という4ステップから構成されている考え方です。
“OJTをやっている”というのが正にこれにあたるのですが、自身の経験を振り返ると、重要なのはこの4つの要素を時期をみて順序どおりにステップを踏んでいくことだと思います。
よく見るのが、上記の4つのステップのどれか一つだけをやっているケース。もちろん上記のように綺麗に切り分けることはできませんが、“自分の教育スタイル”ということで上記の4つどこかに偏っている方を見ることは少なくありません。
逆に、部下育成のうまい方に話を聞き、それをブレイクダウンしていくと、上記の4つのステップをうまく組み込んでいる事がよくあります。
“成長のステップをサポートする機能”これも職場の持つ教育要素の一つです。
このスタッフは、もう随分と企業を回ってるだけあってお客様との対話もかなりスムーズに展開できます。
もちろん足りない部分もたくさんありますが、今日の訪問も、要所要所をサポートしただけでしっかりと話をまとめてしまいました。
こうやって学生と一緒に営業に行くと、自分自身の事を振り返るいいきっかけになります。
思えば、自分も営業を始めてから随分とやり方を変えてきたように思います。
最近でこそやっと自分自身の営業を自分自身で改善していけるようになったのですが、それまでは、同行させてもらう先輩の営業活動の方法を見よう見まねでやるしかありませんでした。
だから、時期によって随分やり方が違っています。
実はこれが、今日ご紹介したかった職場の学習要素の一つにあたります。
■認知的徒弟制
簡単に言うと、①上司(熟達者)が模範を示し、それを真似る。②上司(熟達者)が手取り足取り教える。③部下に一人でやらせてできないところをフォローする。④部下を独り立ちさせ、上司(熟達者)は手を引いていく。という4ステップから構成されている考え方です。
“OJTをやっている”というのが正にこれにあたるのですが、自身の経験を振り返ると、重要なのはこの4つの要素を時期をみて順序どおりにステップを踏んでいくことだと思います。
よく見るのが、上記の4つのステップのどれか一つだけをやっているケース。もちろん上記のように綺麗に切り分けることはできませんが、“自分の教育スタイル”ということで上記の4つどこかに偏っている方を見ることは少なくありません。
逆に、部下育成のうまい方に話を聞き、それをブレイクダウンしていくと、上記の4つのステップをうまく組み込んでいる事がよくあります。
“成長のステップをサポートする機能”これも職場の持つ教育要素の一つです。
タグ :OJT
2009年11月18日
次の成長領域を知る
さて、前回に引き続き、現場での学び診断について考えていきたいのですが、その前に前提として、現場にはどういった学習の機会があるかをご紹介していきたいと思います。
実は、大きく分けても5つくらいの理論がベースにあるので、一つずつご紹介していきます。
一つ目は、『最近接発達領域』という考え方。
これは、すごく短くまとめるなら、“現在自身の独力で達成できるレベルと、人にサポートしてもらいながら達成できるレベルの差。”のことを言います。
実は人は、今現在自分自身では達成できないものを、人のサポートを得て達成することで、その差分を学ぶ
ことができます。
こういった、自分をサポートしてくれる環境があるのが、職場の持つ学習要素の一つです。
実は、大きく分けても5つくらいの理論がベースにあるので、一つずつご紹介していきます。
一つ目は、『最近接発達領域』という考え方。
これは、すごく短くまとめるなら、“現在自身の独力で達成できるレベルと、人にサポートしてもらいながら達成できるレベルの差。”のことを言います。
実は人は、今現在自分自身では達成できないものを、人のサポートを得て達成することで、その差分を学ぶ
ことができます。
こういった、自分をサポートしてくれる環境があるのが、職場の持つ学習要素の一つです。
2009年11月17日
職場の学習環境レベル
先週は学習効果を高める上でのルールというものの重要性について考えてみました。これに対し、今週は、このルールも含めた職場の環境が学習に及ぼす影響というものについて考えていきたいと思います。
実はここ最近、当社からも最も積極的にご紹介させてもらっているのが、“学習効果を高めるための職場環境改善のきっかけ”を作るツールです。
WPL診断
これは簡単に言うと、職場の学習環境レベルがどれくらいあるかを診断するツールです。
環境といっても、物理的なものだけでなく、人間関係やルールといった目に見えないものも含まれます。
そして、こういったものの現状を診断し、様々な切り口から職場の学習環境レベルを向上していくということが目的となります。
次回からは、この診断の裏付けとなる理論や事例などについてご紹介していこうと思います。
実はここ最近、当社からも最も積極的にご紹介させてもらっているのが、“学習効果を高めるための職場環境改善のきっかけ”を作るツールです。
WPL診断
これは簡単に言うと、職場の学習環境レベルがどれくらいあるかを診断するツールです。
環境といっても、物理的なものだけでなく、人間関係やルールといった目に見えないものも含まれます。
そして、こういったものの現状を診断し、様々な切り口から職場の学習環境レベルを向上していくということが目的となります。
次回からは、この診断の裏付けとなる理論や事例などについてご紹介していこうと思います。
2009年11月13日
手探りで見つける“強み”と“弱み”
さて、前回の“暗黙のルール”の話の続きです。
まず、これはどこの会社にも、どんな部署にも存在します。
その会社や部署に悪い影響を与えているものもあれば、良い影響を与えているものもあります。
近しい例で言うと、よく自己分析などに使われているジョハリの窓の『盲点の窓』や『未知の窓』がこれにあたるかと思います。
つまり、上記を言い換えることになりますが、これを見つけることは、“弱み”を発見することにもなれば、“強み”を発見することにも繋がるということです。
では、どうやってそれを見つけるのか。
細かいことはここでは記載しませんが、簡単なところだけをお伝えをすると、そこの会社や部署で普段行われている仕事のプロセスなどをひとつずつ聞き出し、それぞれについて『何故そうしているのか』を素人目でしつこく聞き出していくという方法です。こればっかりは手探りです。
見つけることができれば、そのアプローチ方法を考えることはさほど難しくはありません。ただ、そのアプローチ方法を実現させることは非常に困難で、それを実現させるのが弊社の仕事です。
まず、これはどこの会社にも、どんな部署にも存在します。
その会社や部署に悪い影響を与えているものもあれば、良い影響を与えているものもあります。
近しい例で言うと、よく自己分析などに使われているジョハリの窓の『盲点の窓』や『未知の窓』がこれにあたるかと思います。
つまり、上記を言い換えることになりますが、これを見つけることは、“弱み”を発見することにもなれば、“強み”を発見することにも繋がるということです。
では、どうやってそれを見つけるのか。
細かいことはここでは記載しませんが、簡単なところだけをお伝えをすると、そこの会社や部署で普段行われている仕事のプロセスなどをひとつずつ聞き出し、それぞれについて『何故そうしているのか』を素人目でしつこく聞き出していくという方法です。こればっかりは手探りです。
見つけることができれば、そのアプローチ方法を考えることはさほど難しくはありません。ただ、そのアプローチ方法を実現させることは非常に困難で、それを実現させるのが弊社の仕事です。
タグ :教育
2009年11月12日
ルールや環境が及ぼす影響
前回の『ルール』の記事の続きとなりますが、実は私がお客様に研修教育のご提案をする際に、必ず確認させていただくのが、社内のルールです。
前回の記事に投稿したように、『ルール』というのは“多くの人の行動”をコントロールする力があります。
だからこそそれが、組織を前進させる力になることもあれば、組織を停滞させる大きな壁になることもあります。
私が研修教育のご提案の際に社内のルールについて聞かせていただくのは、研修を実施するに至った問題の原因が、社員のスキル不足ではなく、そのスキルを発揮できる環境がない場合があるからです。
この環境が整っていない状況で研修をしても、スキルは身についたがそれを発揮することができないという結果に終わることがあります。これでは研修を実施する意味がありません。
だから、受講者を取り巻くルールや環境から聞き取りをさせてもらいます。
そして、このルールや環境で非常にやっかいなのが、社内で文章化されているものだけがそれにあたるわけではないということです。いわゆる、“暗黙のルール”というものも、ここで言う聞き出しておくべき『ルール』にあたるということです。
次回は、この“暗黙のルール”について少し深堀していきたいと思います。
前回の記事に投稿したように、『ルール』というのは“多くの人の行動”をコントロールする力があります。
だからこそそれが、組織を前進させる力になることもあれば、組織を停滞させる大きな壁になることもあります。
私が研修教育のご提案の際に社内のルールについて聞かせていただくのは、研修を実施するに至った問題の原因が、社員のスキル不足ではなく、そのスキルを発揮できる環境がない場合があるからです。
この環境が整っていない状況で研修をしても、スキルは身についたがそれを発揮することができないという結果に終わることがあります。これでは研修を実施する意味がありません。
だから、受講者を取り巻くルールや環境から聞き取りをさせてもらいます。
そして、このルールや環境で非常にやっかいなのが、社内で文章化されているものだけがそれにあたるわけではないということです。いわゆる、“暗黙のルール”というものも、ここで言う聞き出しておくべき『ルール』にあたるということです。
次回は、この“暗黙のルール”について少し深堀していきたいと思います。
タグ :教育
2009年11月02日
見えている世界を絵で表現する
私は現在、営業担当として仕事をしていますが、新卒で会社に入社した後すぐには研修事業部というところにいました。
ここは、主に弊社の教育教材を作成している部署なのですが、ここで培ったスキルの一つに“形の無いものを描く”というものがあります。
特に最初、技術系の専門知識がない私は、ヒューマンスキルの教育教材を作成することが多かったのですが、このヒューマンスキルという“形の無いスキル”。これを、わかりやすく受講者に伝えるために図示化するというのが、教材作成の重要なポイントでした。
もちろん最初は自分だけでは作成できないので、作成したものを上司に修正してもらいながら形にしていくのですが、随分と力量の違いを見せ付けられたことを思い出します。
“社会人と学生では、こんなにも見えている世界、表現できる世界に差があるのか。”
と思いました。
上記は、“教材作成”に関しての例ですが、現場教育の上司と部下にも同じような状態が言えるのではないかと思っています。
本当に簡単な手書きの絵でもいいのですが、上司の見えているものを絵に書いて部下に伝えてみる。部下も、自分の分かっていないことを絵に描いて上司に伝えてみる。
これだけでもまた違った角度からコミュニケーションを深めることができ、お互いにとっての成長の機会になるのではないかと思います。
ここは、主に弊社の教育教材を作成している部署なのですが、ここで培ったスキルの一つに“形の無いものを描く”というものがあります。
特に最初、技術系の専門知識がない私は、ヒューマンスキルの教育教材を作成することが多かったのですが、このヒューマンスキルという“形の無いスキル”。これを、わかりやすく受講者に伝えるために図示化するというのが、教材作成の重要なポイントでした。
もちろん最初は自分だけでは作成できないので、作成したものを上司に修正してもらいながら形にしていくのですが、随分と力量の違いを見せ付けられたことを思い出します。
“社会人と学生では、こんなにも見えている世界、表現できる世界に差があるのか。”
と思いました。
上記は、“教材作成”に関しての例ですが、現場教育の上司と部下にも同じような状態が言えるのではないかと思っています。
本当に簡単な手書きの絵でもいいのですが、上司の見えているものを絵に書いて部下に伝えてみる。部下も、自分の分かっていないことを絵に描いて上司に伝えてみる。
これだけでもまた違った角度からコミュニケーションを深めることができ、お互いにとっての成長の機会になるのではないかと思います。
2009年10月30日
全体の中の一つ
前回の“存在感”という記事とも関連しますが、仕事を進めていく上で最近すごく重要だなと感じていることの一つに、
“全体を俯瞰する”
というものがあります。
目の前に向き合っている仕事は一つ一つでないと片付いていかないのですが、その仕事の一つ一つの精度を上げるためには、全体を俯瞰して知っておく、理解しておく必要があると思います。
個々の仕事というのは、ある大きな目的を達成するための一要素であるから、それ単体ではあまり意味がなく、他の仕事とうまく連携できて初めて、意味のある仕事の結果が生まれてきます。
“存在感”を実感することも同様のことで、自身、自社の周りを取り囲む全体像が見えて初めて、自身、自社の“存在”≒“価値”が実感できます。
“木を見るために森を見る。森を見るために木を見る。”
といったところでしょうか。
“全体を俯瞰する”
というものがあります。
目の前に向き合っている仕事は一つ一つでないと片付いていかないのですが、その仕事の一つ一つの精度を上げるためには、全体を俯瞰して知っておく、理解しておく必要があると思います。
個々の仕事というのは、ある大きな目的を達成するための一要素であるから、それ単体ではあまり意味がなく、他の仕事とうまく連携できて初めて、意味のある仕事の結果が生まれてきます。
“存在感”を実感することも同様のことで、自身、自社の周りを取り囲む全体像が見えて初めて、自身、自社の“存在”≒“価値”が実感できます。
“木を見るために森を見る。森を見るために木を見る。”
といったところでしょうか。
2009年10月27日
いわゆる“人間力”というもの
これまでいくつか、新入社員の入社後の教育についての考え方をご紹介してきましたが、まだまだ今の自分の力ではご紹介しきれないものもあります。
現段階では総称して“人間力”という表現しかできませんが、少し思いつくところを下記に羅列してみます。
○どんな場でも、自分自身が“場”を作ろうという積極的な考え方
○話しにくい相手でも、自分から話しかけていって壁を壊していく対話力
○いいづらいこと、衝突が起こりそうなことを逃げずに伝え、対話していく力
○どんな時でも、人の意見や話を聞ける余裕
○人との会話やデスクワークなど、仕事内容に関わらず短い時間で集中力を高められる力
上記に上げたようなもの、それからこれまで数回に渡ってこのブログでご紹介してきた要素を最低限踏まえ、入社3年目までの教育を考えていくべきだと思います。
現段階では総称して“人間力”という表現しかできませんが、少し思いつくところを下記に羅列してみます。
○どんな場でも、自分自身が“場”を作ろうという積極的な考え方
○話しにくい相手でも、自分から話しかけていって壁を壊していく対話力
○いいづらいこと、衝突が起こりそうなことを逃げずに伝え、対話していく力
○どんな時でも、人の意見や話を聞ける余裕
○人との会話やデスクワークなど、仕事内容に関わらず短い時間で集中力を高められる力
上記に上げたようなもの、それからこれまで数回に渡ってこのブログでご紹介してきた要素を最低限踏まえ、入社3年目までの教育を考えていくべきだと思います。
タグ :新入社員教育
2009年10月23日
限られた資源の中で何ができるか
引き続き、新入社員教育を考えていく上でもう一つお伝えしたいことがあります。
今回ご紹介する内容については、自身の経験からのものであり、誰かが証明したものということではありませんので、最初にお断りしておきます。
『どこまでの知識を最初に渡すか?』
という問いです。
これも、何度かこのブログでも同様の話をご紹介したと思います。ちょうど自分自身も含めた世代くらいから下の世代は、中学、もしくは高校くらいから携帯電話を持っていた世代です。さらには、インターネット回線が定額化したのも自分達の世代です。
また、子供向けの玩具やブランドものの洋服など、子供向けのサービスが加速して増えてきた世代でもあります。つまり、溢れんばかりの情報を自由に取得できるようになった世代であり、様々なサービスを受け慣れている世代です。
こういった背景を持った自分達は、上の世代の方々よりも大きく劣る部分があります。
それは、
“限られた資源の中で何かを創りだしていく、実行していく力”
だと自分は考えています。
リアルディア代表の前刀(さきとう)氏も、ある雑誌の中で語られていましたが、
“3色の絵の具で無限の色を作り出せる人もいれば、24色の絵の具で24色の範囲でしか色を扱えない人もいる”
正に、こういったことだと思います。
将来の会社の幹部候補や、重要なポジションについて欲しいと思っている新卒者であれば、やはり前者の人になってもらいたい。
こういったことを考えると、最初からできるだけたくさんの知識や情報を渡すのではなく、本当に必要なものだけを絞り込んで
渡していく必要があると思います。
どんなに頑張って隠しても、簡単に他社の状況や環境を知ることができる世の中になってきました。
ただ、一方でどこの会社にも持てる資源が限られているという事実は変わりません。
3色の絵の具しかない会社もあれば、24色の絵の具を持っている会社もある。24色あっても、重要な赤色の絵の具がない会社なんてのもある。
どこに行っても全てが揃っている会社なんてものは存在しない中で、自社の持っている資源をいかに活用していくかを考えていける人材を創る。
こういった考え方が必要になってくると思います。
今回ご紹介する内容については、自身の経験からのものであり、誰かが証明したものということではありませんので、最初にお断りしておきます。
『どこまでの知識を最初に渡すか?』
という問いです。
これも、何度かこのブログでも同様の話をご紹介したと思います。ちょうど自分自身も含めた世代くらいから下の世代は、中学、もしくは高校くらいから携帯電話を持っていた世代です。さらには、インターネット回線が定額化したのも自分達の世代です。
また、子供向けの玩具やブランドものの洋服など、子供向けのサービスが加速して増えてきた世代でもあります。つまり、溢れんばかりの情報を自由に取得できるようになった世代であり、様々なサービスを受け慣れている世代です。
こういった背景を持った自分達は、上の世代の方々よりも大きく劣る部分があります。
それは、
“限られた資源の中で何かを創りだしていく、実行していく力”
だと自分は考えています。
リアルディア代表の前刀(さきとう)氏も、ある雑誌の中で語られていましたが、
“3色の絵の具で無限の色を作り出せる人もいれば、24色の絵の具で24色の範囲でしか色を扱えない人もいる”
正に、こういったことだと思います。
将来の会社の幹部候補や、重要なポジションについて欲しいと思っている新卒者であれば、やはり前者の人になってもらいたい。
こういったことを考えると、最初からできるだけたくさんの知識や情報を渡すのではなく、本当に必要なものだけを絞り込んで
渡していく必要があると思います。
どんなに頑張って隠しても、簡単に他社の状況や環境を知ることができる世の中になってきました。
ただ、一方でどこの会社にも持てる資源が限られているという事実は変わりません。
3色の絵の具しかない会社もあれば、24色の絵の具を持っている会社もある。24色あっても、重要な赤色の絵の具がない会社なんてのもある。
どこに行っても全てが揃っている会社なんてものは存在しない中で、自社の持っている資源をいかに活用していくかを考えていける人材を創る。
こういった考え方が必要になってくると思います。
タグ :新人教育
2009年10月22日
“何を学ぶべきか”を考えるのは誰か?
さて、昨日ご紹介した“理想”と“現実”のギャップについてですが、これについてはもう少し詳しく紹介しておく必要があります。
まず、“理想”と“現実”を設定・把握する作業というのは、一度だけ行えばいいというものではありません。
“理想”と“現実”を設定・把握するものとしては、大きく分けて最低3つ、長期的、中期的、短期的な“理想”と“現実”を同時進行で持ち続け、常に軌道修正していく必要があります。
この“理想”と“現実”を“常に軌道修正をしていく”ために必要なものとして『批判的学習モデル』という考え方があります。
これは、他人を対象とした批判ではなく、自分自身の行動や考え方を自覚し、“批判的”に振り返るというものです。
これにより、自分自身が現状に対する問題意識を持ち、“何を学ぶべきか”を自身で設定していくという循環をつくっていきます。
そしてその、自身で設定した学ぶべきものを実行していくことで、少しづつ目標に近づいていくという原理です。
もちろん、自身の問題設定、何を学ぶべきかという学習内容の設定は、繰り返していくことで精度が上がっていきます。よって、最初は誰でも的外れな設定しかできません。
さらに、この『批判的学習モデル』というものには、三段階の思考というものがあります。
手段を批判的に見ていく“手段探求モード”、活動の背景として設定している目的を見ていく“目的合意モード”、そして、その目的を“正しい”と受け入れてしまった自分自身の見方・考え方を見る“背景批判モード”の三つです。
自身の経験則から行くと、経験、特に成功体験が多ければ多いほど、「手段<目的<背景」という順番で自身を批判することは難しくなってくるように思います。
だからこそ、その“経験”や“成功体験”を得る前に、自身を批判する習慣をつけていく必要があると思います。
まず、“理想”と“現実”を設定・把握する作業というのは、一度だけ行えばいいというものではありません。
“理想”と“現実”を設定・把握するものとしては、大きく分けて最低3つ、長期的、中期的、短期的な“理想”と“現実”を同時進行で持ち続け、常に軌道修正していく必要があります。
この“理想”と“現実”を“常に軌道修正をしていく”ために必要なものとして『批判的学習モデル』という考え方があります。
これは、他人を対象とした批判ではなく、自分自身の行動や考え方を自覚し、“批判的”に振り返るというものです。
これにより、自分自身が現状に対する問題意識を持ち、“何を学ぶべきか”を自身で設定していくという循環をつくっていきます。
そしてその、自身で設定した学ぶべきものを実行していくことで、少しづつ目標に近づいていくという原理です。
もちろん、自身の問題設定、何を学ぶべきかという学習内容の設定は、繰り返していくことで精度が上がっていきます。よって、最初は誰でも的外れな設定しかできません。
さらに、この『批判的学習モデル』というものには、三段階の思考というものがあります。
手段を批判的に見ていく“手段探求モード”、活動の背景として設定している目的を見ていく“目的合意モード”、そして、その目的を“正しい”と受け入れてしまった自分自身の見方・考え方を見る“背景批判モード”の三つです。
自身の経験則から行くと、経験、特に成功体験が多ければ多いほど、「手段<目的<背景」という順番で自身を批判することは難しくなってくるように思います。
だからこそ、その“経験”や“成功体験”を得る前に、自身を批判する習慣をつけていく必要があると思います。
2009年10月21日
地図を活用するために必要な事
少し間が空きましたが、今日は新入社員の教育について少し考えてみます。
“学び方を学ぶ”
という考え方をもとにした際に、基本的でありとても重要なのが、「理想と現実のギャップから学習機会が生まれる」ということです。
このブログでも以前に何度か同様の記事を投稿しましたが、これは、自分自身でもそうでした。
入社してしばらくは仕事ができずにもがいていましたが、ある時から少しづつ、自分自身の成長を実感できるようになりました。
それは、自分自身の『現状(現実)』を理解し始めた時期でした。
これは、最初は自分にとっては非常にストレスのかかることでしたが、“できないことを認める”ということをし始めた時期とも言い換えられます。
逆に、それまでは“こうしたい!”“こうなりたい!”という『理想』だけがあって、『現状(現実)』がなかったことを意味します。
この状態を「目的地だけが記載されていて、現在地がわからない地図を持っている状態」と確か以前にもブログに書いたと思います。
よって、まず最初にすべきこと、それは、自身の『理想』と『現実』を創る・理解するということです。これはどちらが欠けてもいけないと思います。ただ、最初から完璧なものは作れないので、おぼろげながらでもそれぞれをまとめてみて、それをブラッシュアップしていく必要があると思います。
人は一朝一夕では成長の“きっかけ”を得ることができても、成長しきることはできません。だから、少しづつカタチにしていくことが重要だと思います。
以前から経験上でこういった感覚を持っていたのですが、最近読んだ雑誌で、脳科学者の茂木さんが同様の事を言っていたのには非常に感動しました。
“学び方を学ぶ”
という考え方をもとにした際に、基本的でありとても重要なのが、「理想と現実のギャップから学習機会が生まれる」ということです。
このブログでも以前に何度か同様の記事を投稿しましたが、これは、自分自身でもそうでした。
入社してしばらくは仕事ができずにもがいていましたが、ある時から少しづつ、自分自身の成長を実感できるようになりました。
それは、自分自身の『現状(現実)』を理解し始めた時期でした。
これは、最初は自分にとっては非常にストレスのかかることでしたが、“できないことを認める”ということをし始めた時期とも言い換えられます。
逆に、それまでは“こうしたい!”“こうなりたい!”という『理想』だけがあって、『現状(現実)』がなかったことを意味します。
この状態を「目的地だけが記載されていて、現在地がわからない地図を持っている状態」と確か以前にもブログに書いたと思います。
よって、まず最初にすべきこと、それは、自身の『理想』と『現実』を創る・理解するということです。これはどちらが欠けてもいけないと思います。ただ、最初から完璧なものは作れないので、おぼろげながらでもそれぞれをまとめてみて、それをブラッシュアップしていく必要があると思います。
人は一朝一夕では成長の“きっかけ”を得ることができても、成長しきることはできません。だから、少しづつカタチにしていくことが重要だと思います。
以前から経験上でこういった感覚を持っていたのですが、最近読んだ雑誌で、脳科学者の茂木さんが同様の事を言っていたのには非常に感動しました。
2009年10月16日
何のために“学ぶ”のか
“自分の内側ではなく、外側にベクトルが向いてないと『思い』は生まれない”
これは、今日お会いしたお客様との会話の中で、出てきた言葉です。
社内で研修・教育の企画が充実してくると、自身を成長させるために“スキルを身につける”“スキルを磨く”という内側にだけベクトルが向くようになってしまいます。
しかし、そうなってはダメで、“お客様に貢献したい”とか、“自社の事業を通して世の中を良くしたい”とか、外側にベクトルを向け、“それに対して自分は何ができるか”と考え、そこから出てくる『思い』を持ち、その『思い』を実現させるためのツールの一つとして、社内教育を活用していくというスタンスが重要だという会話をしました。
これも、教育を考えていく上で非常に重要な要素です。“学ぶ”という行為は、“学ぶ”ことが目的になってはダメで、何かの目標を達成するためにあるべきものだということです。
2009年10月15日
助成金セミナー
今日は、弊社主催でキャリア形成の助成金に関するセミナーを開催いたしました。
■キャリア形成促進助成金とジョブカード制導入のセミナー
http://www.tisiki.net/seminar/career_seminar/
経済状況の厳しい昨今では、なかなかとりずらい社内の教育費を国から助成してもらというのも一つの方法です。
助成金をもらうには一通りの書類のやり取りが必要になってくることから、あまり積極的に取ろうとしない会社さんもありますが、助成金の取得という機会をポジティブに捉えると、社内の教育体制を強化するきっかけにもなることから、弊社としてもおススメをしております。
特に、キャリア形成の助成金については、教育を効果的に実施するための計画を段階的、かつ体系的に作成して実施ができて初めて助成を得られるというものですから、これまでそういった教育体制を持っていなかったという会社さんにもおススメしております。
教育担当者の皆様、ご関心があれば、ぜひ一度ご検討してみてはいかがでしょうか。
■キャリア形成促進助成金とジョブカード制導入のセミナー
http://www.tisiki.net/seminar/career_seminar/
経済状況の厳しい昨今では、なかなかとりずらい社内の教育費を国から助成してもらというのも一つの方法です。
助成金をもらうには一通りの書類のやり取りが必要になってくることから、あまり積極的に取ろうとしない会社さんもありますが、助成金の取得という機会をポジティブに捉えると、社内の教育体制を強化するきっかけにもなることから、弊社としてもおススメをしております。
特に、キャリア形成の助成金については、教育を効果的に実施するための計画を段階的、かつ体系的に作成して実施ができて初めて助成を得られるというものですから、これまでそういった教育体制を持っていなかったという会社さんにもおススメしております。
教育担当者の皆様、ご関心があれば、ぜひ一度ご検討してみてはいかがでしょうか。
2009年10月14日
“学び方を学ぶ”
今日からは新卒社員の入社後の教育について考えていきたいと思います。
最初に、コンセプトというか、弊社の教育に対する考えをまとめたものとして、
“学ぶ組織を創る”
という言葉を掲げています。
これだけ消費者のニーズが多様化してきた昨今ですから、昔のように誰もが一律の教育を受ければいいという時代ではなくなってきています。もちろん、精神面での心構えや、仕事への取り組み方など、変わらないものもあると思いますが、ビジネスの現場で求められる能力は日々少しづつ変化しているように思います。
こういった背景を踏まえると、ある事象に対する“やり方”を学ぶというよりも、“学び方を学ぶ”ということが重要になってきているというのが弊社の教育に対する考えです。
そしてこの“学び方を学ぶ”という習慣をつけるために最も適した時期が新入社員の時期の教育と考えています。
次回からは、実際にいくつかの教育事例をご紹介しながら教育についての話を進めていきたいと思います。
最初に、コンセプトというか、弊社の教育に対する考えをまとめたものとして、
“学ぶ組織を創る”
という言葉を掲げています。
これだけ消費者のニーズが多様化してきた昨今ですから、昔のように誰もが一律の教育を受ければいいという時代ではなくなってきています。もちろん、精神面での心構えや、仕事への取り組み方など、変わらないものもあると思いますが、ビジネスの現場で求められる能力は日々少しづつ変化しているように思います。
こういった背景を踏まえると、ある事象に対する“やり方”を学ぶというよりも、“学び方を学ぶ”ということが重要になってきているというのが弊社の教育に対する考えです。
そしてこの“学び方を学ぶ”という習慣をつけるために最も適した時期が新入社員の時期の教育と考えています。
次回からは、実際にいくつかの教育事例をご紹介しながら教育についての話を進めていきたいと思います。
2009年09月28日
“広く浅くではなく、深いものを見つける”というサイト
今日は、あるお客様先で自社の採用サイトを作成するお話をしてきたのですが、前向きな反応をいただくことができました。
これは、自身の考えではありますが、
各社のある程度コアな伝えたいメッセージや仕事の魅力や内容を、文字だけでなく、映像やデザインも自由に使って表現している採用サイトがたくさんできて、それを学生が探しに行くという就職活動ができるといいんではないかと思っています。
よく、インターンシップを運営するetic.という会社の下記のサイトを見ているんですが、
■プロジェクトインデックス
http://www.project-index.jp/
これはすごく面白い。
何が面白いかというと、会社の規模や知名度などではなく、純粋に仕事の面白さや、やりがいだけに関心をもって選ぶことができるかです。
まさにこういったサイトが、就“職”先を探すためのサイトになるべきではないかと思います。
広くたくさんの会社を比較検討できるものではなく、自身が強く関心を持つ事のできる深い情報がまとまったものを集める。
その深い情報をまとめたものが各社の採用サイトで、それを集めたものがナビ。こういった構造をつくりたい。
そのためには、どんどん各社の採用サイトを作るお手伝いをしなければ!と決心させられる訪問でした。
これは、自身の考えではありますが、
各社のある程度コアな伝えたいメッセージや仕事の魅力や内容を、文字だけでなく、映像やデザインも自由に使って表現している採用サイトがたくさんできて、それを学生が探しに行くという就職活動ができるといいんではないかと思っています。
よく、インターンシップを運営するetic.という会社の下記のサイトを見ているんですが、
■プロジェクトインデックス
http://www.project-index.jp/
これはすごく面白い。
何が面白いかというと、会社の規模や知名度などではなく、純粋に仕事の面白さや、やりがいだけに関心をもって選ぶことができるかです。
まさにこういったサイトが、就“職”先を探すためのサイトになるべきではないかと思います。
広くたくさんの会社を比較検討できるものではなく、自身が強く関心を持つ事のできる深い情報がまとまったものを集める。
その深い情報をまとめたものが各社の採用サイトで、それを集めたものがナビ。こういった構造をつくりたい。
そのためには、どんどん各社の採用サイトを作るお手伝いをしなければ!と決心させられる訪問でした。
2009年09月12日
ベクトルとベクトルの誤差
教育や採用の営業をしていると、その分野に関心の深いお客様とは、企業内教育だけでなく、学校教育の話になることがあります。
昨日もある機関の方と学校教育について話していたのですが、こんな事を言われていました。
“社会の進むベクトルと、学校教育の目指すベクトルが合わなくなっているんでしょうね。”
と。
確かに、これだけ社会の変化が早くなっている中では、学校教育もそのスピードに合わせて変化していくことが難しくなっていると思います。
だからこそ、社会のベクトルと学校教育のベクトルの誤差を埋める期間として、大学生活の中でたっぷりとある隙間の時間をどう活用していくかが重要になってくると思います。
昨日もある機関の方と学校教育について話していたのですが、こんな事を言われていました。
“社会の進むベクトルと、学校教育の目指すベクトルが合わなくなっているんでしょうね。”
と。
確かに、これだけ社会の変化が早くなっている中では、学校教育もそのスピードに合わせて変化していくことが難しくなっていると思います。
だからこそ、社会のベクトルと学校教育のベクトルの誤差を埋める期間として、大学生活の中でたっぷりとある隙間の時間をどう活用していくかが重要になってくると思います。
2009年08月19日
目的の欠落
今日は、たまたま読んでいた本が、ここ最近の記事に関連があったのでご紹介します。
著者 藤原 和博 氏
「つなげる力」
これは、リクルートから公立中学の校長になった 藤原 和博 氏 の学校教育を変革していく話なのですが、この本の記述の中に、ざっくりとこんな指摘があります。
日本の「学習指導要領」には、人生を生きる主体としての視点の欠落がある
と。
その指摘の要因として、OECD(経済協力開発機構)が行っているPISA(学習到達度調査)で定義されている3つのリテラシーを受けて、日本が学習指導要領として上げた目標に本質的な部分が欠落していることを上げています。今回は、PISA(学習到達度調査)の定義する“数学的リテラシー”と、それを受けた日本の“数学”の学習指導要領を見ていきます。
ぜひ皆さんも、読んでみて、足りない部分を考えてみてください。
◆PISA(学習到達度調査)・数学的リテラシー
⇒数学的リテラシーとは、『数学が世界で果たす役割を見つけ、理解し、現在及び将来の個人の生活、職業生活、友人や家族や親族との社会生活、建設的で関心を持った思慮深い市民としての生活において確実な数学的根拠にもとづき判断を行い、数学に携わる能力』である。
◇日本の数学の中学学習指導要領
⇒数量,図形などに関する基礎的な概念や原理・法則の理解を深め,数学的な表現や処理の仕方を習得し,事象を数理的に考察する能力を高めるとともに,数学的活動の楽しさ,数学的な見方や考え方のよさを知り,それらを進んで活用する態度を育てる。
どうでしょうか。自分はこれを読んでみて、明らかに何かが足りない気がしました。
ちなみに、高等学校の数学と小学校の算数も紹介しておきます。
◇高等学校学習指導要領・数学
数学における基本的な概念や原理・法則の理解を深め,事象を数学的に考察し処理する能力を高め,数学的活動を通して創造性の基礎を培うとともに,数学的な見方や考え方のよさを認識し,それらを積極的に活用する態度を育てる。
◇小学校学習指導要領・算数
数量や図形についての算数的活動を通して,基礎的な知識と技能を身に付け,日常の事象について見通しをもち筋道を立てて考える能力を育てるとともに,活動の楽しさや数理的な処理のよさに気付き,進んで生活に生かそうとする態度を育てる。
もちろん、これはあくまで指導要領なので、「~態度を育てる。」という文章で締めくくることにはなりますが、しかし明らかに“何のために”という目的が明示されていません。
自分は、正にここに、ほとんどの先生が「学校での勉強は“何のために”やっているのか」という問いに答えられない原因があるように思います。
そして、こういった目的の説明もなく学校教育を受けている子供は、当然、学校での勉強と社会生活の“つながり”を掴む事ができず、テストで点数をとるためだけの勉強という認識をしてしまいます。
すると、その延長線上にある就職活動も、内定をとるための就職活動となってしまうように思います。
著者 藤原 和博 氏
「つなげる力」
これは、リクルートから公立中学の校長になった 藤原 和博 氏 の学校教育を変革していく話なのですが、この本の記述の中に、ざっくりとこんな指摘があります。
日本の「学習指導要領」には、人生を生きる主体としての視点の欠落がある
と。
その指摘の要因として、OECD(経済協力開発機構)が行っているPISA(学習到達度調査)で定義されている3つのリテラシーを受けて、日本が学習指導要領として上げた目標に本質的な部分が欠落していることを上げています。今回は、PISA(学習到達度調査)の定義する“数学的リテラシー”と、それを受けた日本の“数学”の学習指導要領を見ていきます。
ぜひ皆さんも、読んでみて、足りない部分を考えてみてください。
◆PISA(学習到達度調査)・数学的リテラシー
⇒数学的リテラシーとは、『数学が世界で果たす役割を見つけ、理解し、現在及び将来の個人の生活、職業生活、友人や家族や親族との社会生活、建設的で関心を持った思慮深い市民としての生活において確実な数学的根拠にもとづき判断を行い、数学に携わる能力』である。
◇日本の数学の中学学習指導要領
⇒数量,図形などに関する基礎的な概念や原理・法則の理解を深め,数学的な表現や処理の仕方を習得し,事象を数理的に考察する能力を高めるとともに,数学的活動の楽しさ,数学的な見方や考え方のよさを知り,それらを進んで活用する態度を育てる。
どうでしょうか。自分はこれを読んでみて、明らかに何かが足りない気がしました。
ちなみに、高等学校の数学と小学校の算数も紹介しておきます。
◇高等学校学習指導要領・数学
数学における基本的な概念や原理・法則の理解を深め,事象を数学的に考察し処理する能力を高め,数学的活動を通して創造性の基礎を培うとともに,数学的な見方や考え方のよさを認識し,それらを積極的に活用する態度を育てる。
◇小学校学習指導要領・算数
数量や図形についての算数的活動を通して,基礎的な知識と技能を身に付け,日常の事象について見通しをもち筋道を立てて考える能力を育てるとともに,活動の楽しさや数理的な処理のよさに気付き,進んで生活に生かそうとする態度を育てる。
もちろん、これはあくまで指導要領なので、「~態度を育てる。」という文章で締めくくることにはなりますが、しかし明らかに“何のために”という目的が明示されていません。
自分は、正にここに、ほとんどの先生が「学校での勉強は“何のために”やっているのか」という問いに答えられない原因があるように思います。
そして、こういった目的の説明もなく学校教育を受けている子供は、当然、学校での勉強と社会生活の“つながり”を掴む事ができず、テストで点数をとるためだけの勉強という認識をしてしまいます。
すると、その延長線上にある就職活動も、内定をとるための就職活動となってしまうように思います。
2009年08月15日
企業の受け入れ体制②
前回に引き続き、受け入れ体制について考えていきます。
今回は、
Ability(能力)
です。
ここで初めて、昨今の新卒者の世代の特徴を踏まえて考えていきますが、最も重要だと考えるのは、能力というものの定義を正しく理解させること。もう少し焦点を絞って言うなら、知識や情報と能力の違いを理解させること。
これを重要な項目として上げるには、理由があります。
それは、自身の社会人としてのレベルの現在地を見誤る可能性が非常に高くなること。
“就職活動”という期間や活動内容が充実した最近の新卒者世代は、実は、十数年前よりも、社会人として必要な能力については、「知っていること」が非常に多い新卒者です。
だからこそ、知っていることとできることの違いを理解しておかないと、自分の現在地を見誤る可能性が高くなります。
目的地が分かっても、自身の現在地がわからない地図は役に立ちません。
現在の“就職活動”という活動の中では、将来、仕事を通して何を成すのか、といった目標設定をしていることはよくあるのですが、社会人としての現在地を知る活動はありません。なぜなら、これは、社会人になってからじゃないと知る事ができないからです。だからこそ、社会人として最初にすべきこととして、自身の現在地を知るということがあるのですが、知識や情報と能力を混同してしまうと、それができなくなります。
結果として、現在地のわからない地図をもって路頭に迷ってしまうことになります。
全ての原因が、自身ではなく、周りの環境だと思い込んでしまいます。
だから、環境を変えるという選択肢に行き着きます。
新卒者の能力向上を考える上での第一歩は、能力というものを正しく理解させること。
少し、腑に落ちないかもしれませんが、具体的な能力向上の方法については、また別の機会に紹介させてもらいます。
今回は、
Ability(能力)
です。
ここで初めて、昨今の新卒者の世代の特徴を踏まえて考えていきますが、最も重要だと考えるのは、能力というものの定義を正しく理解させること。もう少し焦点を絞って言うなら、知識や情報と能力の違いを理解させること。
これを重要な項目として上げるには、理由があります。
それは、自身の社会人としてのレベルの現在地を見誤る可能性が非常に高くなること。
“就職活動”という期間や活動内容が充実した最近の新卒者世代は、実は、十数年前よりも、社会人として必要な能力については、「知っていること」が非常に多い新卒者です。
だからこそ、知っていることとできることの違いを理解しておかないと、自分の現在地を見誤る可能性が高くなります。
目的地が分かっても、自身の現在地がわからない地図は役に立ちません。
現在の“就職活動”という活動の中では、将来、仕事を通して何を成すのか、といった目標設定をしていることはよくあるのですが、社会人としての現在地を知る活動はありません。なぜなら、これは、社会人になってからじゃないと知る事ができないからです。だからこそ、社会人として最初にすべきこととして、自身の現在地を知るということがあるのですが、知識や情報と能力を混同してしまうと、それができなくなります。
結果として、現在地のわからない地図をもって路頭に迷ってしまうことになります。
全ての原因が、自身ではなく、周りの環境だと思い込んでしまいます。
だから、環境を変えるという選択肢に行き着きます。
新卒者の能力向上を考える上での第一歩は、能力というものを正しく理解させること。
少し、腑に落ちないかもしれませんが、具体的な能力向上の方法については、また別の機会に紹介させてもらいます。
タグ :新入社員教育