2009年12月02日

日々の機会をどれくらい活かせているか

少し間が空きましたが、再び現場での学習要素について考えいきたいと思います。

前回の、現場での学習要素についての話(学びの共同体)では、“活動をするという主体的な学びの場”になるということをご紹介しました。

この前回の話をさらに噛み砕いて捉えていったのが、今回ご紹介する話です。


皆さんは、“これまで一度も仕事で失敗をしたことがない”と言い切れる方はいらっしゃるでしょうか。
おそらくほとんどの方はNOだと思います。もちろん私もNOです。むしろ、同年代では数が多い方にあたるという自信があります。

当然ですが、仕事というのは人間が作ったものですので、後発的に作られています。よって、何かの仕事を最初から全てできるという人が生まれてくるという事はありません。人は生まれてから、その後に仕事というものに触れていくので、大小の差はあるにせよ、当然何かしらの失敗を経験します。

そして、仕事における失敗はやりっぱなしでは終わりません。それを解決して初めて仕事というのが成り立つことになるので、失敗をすれば、その後は何かしらの解決策を講じています。

この、仕事という活動の中で、人は必ず問題を抱え、それを解決していくということ。言い換えるなら、自分のこれまでの経験でできるやり方でやってみて、失敗し、そのやり方ではない違うアプローチを生み出し、問題を解決していく。この一連のプロセスで人は学んでいるということを提唱したのが、フィンランドの教育学者のエンゲストロームです。

エンゲストロームはこの学習を「創造的学習」と呼んでいます。

仕事は不確定要素が高く、また、日々少しずつ変化しているという意味ではどんな人でも絶対はありません。定義にもよりますが、あのイチローでさえ、3回に2回は失敗をしているんです。その失敗の中で、“次はこうしてみよう”という創造をし、学んでいます。

毎日訪れている学習の機会をどれくらい活かせているか。その質によって大きな格差が生まれてきます。



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Posted by KNブログ at 22:30│Comments(0)教育
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